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辻正仁の「音(オン)ラインにゅ〜す」 <見てよし、触れてよし、鳴らしてよし>


09月20日(土) 00時00分
文:辻 



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手にとって試奏もできる、愛好者ならではのギターイベント
 〜「MARTIN GUITAR SHOW & CONCERT」〜

 僕が初めて買ったギターはクラシックなどで使用する、いわゆる「ガット・ギター」というものだった。クラシックがやりたかったワケではない。単純に間違えたのだ。

 間違えたというか、そもそもロクに情報のない時代、ギターにたくさん種類があって、用途によって使うギターが違うなんて知らなかったのだ。かろうじて、エレキ・ギターとエレキじゃないやつがあるってのは分かってたけど…。当時、似たような体験をした人は決して少なくないと思う。最近映画化されて話題になっている漫画「20世紀少年」の原作にも似たようなエピソードがあった。

 それが今では、同じアコースティック・ギターでも音色を聴いただけで、ある程度メーカーまで特定できてしまうようになるのだから、マニアというのは恐ろしいものである。僕の知り合いのギタリストなんかは、メーカーどころか機種まで言い当てる。さすがに、そこまでになりたいとは思えない。残念ながら。

 ちなみに、その知り合いの5歳の息子は「電車」が大好きで、電車をみただけで車種からなにから全部言ってのける。家に遊びに行くと、息子は「電車図鑑」を広げ、父親はギターのカタログを広げいろいろと熱心に説明してくれる。

 そう、モノは違えど自分の好きなもの、なかなか手に入りにくいもの(ギターの場合は、原因が価格であることが多く、電車の場合は価格以前に収納の問題がありコレクションには不向き)があると、関連のカタログを集め、それを見つめてはため息をついたり、手に入れた時のことを想像したりして楽しむなんて経験はだれしも身に覚えがあることかもしれない。これが前述した親子のように極端な愛情を傾け始めたとき、人はそれを「マニア」と呼び、尊敬されたり疎まれたりする。

 車やバイクなんかだと、そうしたマニアが集まって情報交換したり、みんなでツーリングに出掛けたりもするだろう。中には、特定の車種を偏愛するサークルなどもあり、いきなり30台くらいのハーレー・ダビットソンが走り抜けていくのを目撃したりする。

 もちろん、ギターにだってこうしたサークルは存在する。なにしろ、音楽を聴いただけでメーカーの特色を聴き分けられるくらいなのだから、当然、そこには個人の好みの音というのが出来上がってくる。

 例えば、僕は「ギブソン」というメーカーのギターの音色が好きだったりする。よく音楽ファンの間で「ジョン・レノンとポール・マッカートニーのどっちが好きか?」なんていう話題が出たりするが、コレと似たような感じで、お互いの特色や良さを認め合った上で「ギブソンとマーティンのどっちが好きか?」なんていう話もする。どちらも、アコースティック・ギターの大御所メーカーである。

 で、その時に「マーティン」と答えるであろう人たちが会員のほとんどを占めるクラブが「MARTIN CLUB JAPAN」である。ギターメーカーのファンクラブと言えばいいだろうか?

 この「MARTIN CLUB JAPAN」が主催する「MARTIN GUITAR SHOW & CONCERT Rebirth Tour〜きらめきの街へ〜」というツアーイベントが、岡山、札幌、新潟、東京の4カ所で随時、開催されている。札幌は9月21日、札幌市中央区のライブハウス「クラップスホール」で行われる。

 イベントは2部構成で、第一部は会場を無料で開放したマーティン・ギターの展示会。スタンダードなモデルから、カスタム・モデルまで50本以上が展示され、手にとっての試奏が許されるものもあるという。普段、カタログを眺めてはため息をついている憧れのギターだって、その手に触れて、演奏できるかもしれないのだ。

 特にマーティンギターの愛好者でなくても、例えばこれからギターを始めようかななどと思っている人も是非、行ってみるべきだと思う。信頼厚い一流メーカーのギターの感触やさまざまな機種の音色を自分の身体を使って感じ取るというのは、決して無駄なことにはならない。カタログやネットでの情報では得られないものが必ずあるはずだ。

 そして、第二部は有料でのライブステージ。ソロ・アーティストとして活躍するほか桑田佳祐の大学時代の後輩で、サザンオールスターズのサポートメンバーとしても知られる「斉藤誠」が、各開催地ごとにゲストを迎えてのステージを繰り広げる。札幌では柳沢二三男が登場。間違いなく二人ともマーティンのギターで演奏するだろう(当たり前か)。

 こういうイベントが僕の少年時代にもあったら、少なくともギターの種類を間違えるなんてことはなかっただろうな。マーティンを買うのは無理だったろうけど。







■辻 正仁(つじ まさひと)

1966年生まれ。
フリーライター、FMドラマシティ「海月屋本舗(毎週月曜18時)のパーソナリティ、シンガー・ソングライター等々、様々な分野で活動中。
自主制作レーベル「海月屋(くらげや)」主宰。



関連サイト

「MARTIN CLUB JAPAN」
http://www.martinclubjp.com/2008kira_aut.html






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