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辻正仁の「音(オン)ラインにゅ〜す」 <日本盤発売はなぜ半年も遅いのか?>


 
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| ダフィーのデビューアルバム「ロックフェリー」の輸入盤は半年前にリリース、コアな音楽ファンはほとんど入手済みのハズ |
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〜 昨今の洋楽リリースに思う 〜
先日の「音(オン)ラインにゅ〜す」で触れた「ダフィー」の日本デビュー。本国イギリスでは、今年3月のデビュー直後から大ブレイク。その後、ヨーロッパ各地からアメリカを席巻し、ようやく9月24日にアルバム「ロックフェリー」の日本盤が発売となった。
ここ数年は彼女のようなヒットの仕方が多くなってきた。特にシンガー・ソングライター系の新人に関しては、そのほとんどがイギリスから発信されていると言えるだろう。
世界的な大ヒットを飛ばしたジェームス・ブラント、ダニエル・パウター、それにジェイムス・モリソンやエイミー・ワインハウス。過去の音楽の良質な部分をしっかりと継承しつつ、自身の個性を存分に発揮しているアーティストは皆、まずイギリスでヒットし勢いがヨーロッパ各地に伝わる、その実績を持ってアメリカで成功して、それらの様子を伺った後で鳴り物入りで日本盤発売されるというパターンだ。
ビートルズの登場以来、このパターンでヒットが伝播していく時期というのは、これまでも度々あった。僕らの世代のリアルタイムで記憶に残っているのは、80年代のデュラン・デュランをはじめとした、ワム、カルチャー・クラブ、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド(この人達は実力ないのがバレてすぐ消えたけど)など多彩な顔ぶれがイギリスから登場し、浸透していった。
しかし、そんな時代を振り返ってみるとどのアーティストもさほどのタイムラグもなく日本盤も発売されていたように思うし、アメリカはほとんどイギリスと同時発売だったはずだ。
それが今では、イギリスでのデビューから日本盤の発売までに半年から1年、ヘタすると2年くらいかかる場合もある。エイミー・ワインハウスなどはファースト・アルバムが時間をかけてヒットしたために、日本では未発売のまま、セカンド・アルバムを「日本先行発売」というスタイルで発表して、それから本国でのデビュー・アルバムが日本盤で登場した。
要するに、確実に売れる作品でなければ日本盤を出さないということだろう。アメリカのアーティストの作品でも、グラミー賞を獲得したから、慌てて日本で発売なんてパターンもある。まぁ、このご時世だから色んな事情があっての事だろう。大概の作品は輸入盤で割安に入手できるようになったという事もあるし。確実に売れるビッグアーティストなら、先行発売やボーナストラックを付けるなどした対応で発売できるが、売れるかどうか分からない新人の作品を出すのは躊躇せざるを得ないのかもしれない。
そのクセ、一度ヒットすると「ボーナストラック追加のスペシャル・エディション」とか「来日記念盤DVD付き」なんていう、基本的に同じ作品にオマケが付いて一番最初に買った最も熱心なファンであろう人達が損をするような売り方をしている。
消費者に誠意のない販売をすることで信用を失っていく企業などが多い昨今にあって、大変珍しい販売方法だ(笑)。これも売る側の言い分は大体見当がつくし、分からないでもないけどね。
しかし、かつては洋楽が発売されて、本国よりも日本で支持された作品やアーティストだって存在したのだ。少なくともヒットするであろう音楽なら、日本盤もほぼ同時に発売したし(数週間遅れは、流通のシステムの問題だったと思う。発売が決定してなければ出せないようなタイミングだった)、良い作品であれば、日本でもしっかり独自にプロモーションをして、耳の肥えた音楽ファンはソレに反応したものだ。
それが現在、「確実に売れる保障があるもの」ということで、イギリス、アメリカの動向を確認してから発売する頃には、最もお得意様であるはずの音楽ファンは半年前に輸入盤で入手している。「イギリスでミリオンヒット」とか「各賞総ナメ」という売り文句でしか商売できないのなら、明らかに後手に回っている。音楽が好きな一般人よりはるか後方にいる。レコード会社が音楽文化の発信源であるという誇りも信頼もどこへやらだ。
まだ誰も知らないアーティストや音楽の情報をいち早く捕らえ、それが良質なものかどうかを見極め(あるいは日本人に受け入れられるかどうかを判断し)、作品の素晴らしさを多くの人達に紹介していくというのは、レコード会社の使命だと思うのだけれど、どうだろう?
ちなみに、先ごろ日本盤が発売されたダフィーのアルバム収録の「ウォリック・アベニュー」という曲、本国ではセカンド・シングルになっているのだが、いかにも日本人好みなメロディーラインを持っている。この辺をどのようにプロモーションしていくのかっていうのがレコード会社のお手並みを伺える良い機会かなと、個人的には思ってます。 






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■辻 正仁(つじ まさひと)
1966年生まれ。 フリーライター、FMドラマシティ「海月屋本舗(毎週月曜18時)のパーソナリティ、シンガー・ソングライター等々、様々な分野で活動中。 自主制作レーベル「海月屋(くらげや)」主宰。 |







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